遺言書作成Q&A




Q1 遺言執行者は定めておいた方がいいですか?

 せっかく自分の大切な思いを綴った遺言書を作成しても遺言が無視されては意味がありません。
遺言執行者は遺言者が依頼した「相続人の代理人」として、相続人の意志に反しても遺言者の意志を実現させます。また、不動産の名義変更、預貯金の名義変更など面倒な手続きを相続人に代わってすべてまかせることもできますので遺言執行者は定めておくべきです。
 遺言執行者には相続人や受遺者でもなれますが、面倒な手続きがある場合には弁護士さんに遺言執行者になってもらうといいでしょう。

Q2 遺言書作成の証人とは?

 公正証書遺言の作成には、必ず2名以上の証人の立会いが必要です。証人は、遺言内容と利害関係の深い人はなることができません。すなわち、遺言者の推定相続人及び受遺者並びにそれらの者の配偶者及び直系血族は証人にはなれません。証人としては、信頼している友人、知人などが考えられますが、秘密を守.るには、法律で守秘義務が規定されている弁護士、司法書士、行政書士等が適任です。
 ここでの証人とは、公正証書遺言の作成に立ち会い、公正証書が 正しい手続にしたがって作成されたことを証明する者です。 借金の保証人のような責任を負うことはありません。

Q3 遺留分ってなに?

 遺留分とは遺言書をつくるのにもっとも影響の大きい大事なものです。
遺言は、遺言者の財産を、誰に、どのように分けるのかその内容については遺言者の自由です。ただし、相続人に対して取得させる財産が相当に少ない場合には、民法に規定されている遺留分という制度に注意を払っておいた方が無難です。
遺留分というのは、大まかに言えば、後述する一定範囲の 法定相続人については、一定割合の範囲で相続財産を引き継ぐことができるとする、いわば遺産に関する最低保障分といった制度です。
 遺言の内容に関わらず、遺留分を認められている者は、相続放棄や遺留分の生前放棄をしない限りは、少なくとも遺留分相当額については相続財産を取得できます。遺留分が認められている相続人は、配偶者、子、直系尊属です。ですから兄妹には遺留分はありません)。認められている遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人である場合には法定相続分の3分の1、その他の相続人の場合には法定相続分の2分の1とされています。

Q4 特別受益ってなに?

 相続人が複数の場合で、その中に被相続人から生前に贈与等を受けていた者があるときには、これを特別受益者といいます。そして、特別受益者が被相続人から受けた贈与等を特別受益といい、遺産分割については、この特別受益を相続財産の中に加えたものを基本とすることになります。
 特別受益者の相続分については、特別受益を加えた相続財産を基にして、法定相続分を計算し、この価額からすでに受けている贈与等の価額を控除したものとなります。しかし、特別受益者が受けた贈与等の額が大きい場合でも、特別受益者はすでに受けた贈与金等を返還することはないとされています。
 これは、特別受益者に超過分を返還させることになると、特別受益者に不測の損害が発生し、法律関係が煩雑になるからだと、説明されています。
 特別受益に関し、問題となるのは、その範囲です。民法はその範囲を、@遺贈、A婚姻、養子縁組のための贈与、B生計の資本としての贈与、と規定しています。遺贈は、すべてが特別受益とみなされることになりますが、相続財産に加える必要はありません。遺贈されたものは相続財産だからです。
 次に、生前贈与については、婚姻、養子縁組の費用として、持参金や嫁入り道具が考えられますが、挙式費用や結納金についても可能性はあります。生計の資本については、子供が独立して事業をする場合の資本や、建物の新築についての費用等が考えられます。学資 については、子供のうちの一人だけが大学へ行っているような場合には、この学資が特別受益にあたるとみられることも考えられます。

Q5 寄与分ってなに?

 民法904条の2は、共同相続人の中に、@被相続人の事業 に関する労働の提供又は財産上の給与、A被相続人の療養看 護、Bその他の方法によって、被相続人の財産の維持又は増加につき、特別の寄与をした者がある場合、共同相続人の協議により、寄与分を控除したものを相続財産とみなすことができる旨、規定しています。
 1.事業に関する労働の提供又は財産上の給与のうち、「労務の提供」とは、相続人が被相続人の事業に従事したような場合であり、家業の養豚業に長年従事した配偶者や、農業に従事した長男等の例があります。
 また「財産上の給与」とは、事業資金の提供や債務の弁済等が考えられます。
2.次に、被相続人に対する療養看護とは、病気になった被相続人の世話をすることですが、相続人が自ら看病する場合と相続人の費用で付添人等を派遣した場合が考えられます。しかし、いずれの場合でも、被相続人が療養看護の費用の支出を免れることによって財産の維持又は減少が防止されていることが必要です。
3.最後に「その他の方法」による寄与があります。前述の1.2)の規定が、寄与に関する例示であり、1.2の場合を除き、被相続人の財産を維持、増加させた行為を、相続人の寄与分として扱おうとするものです。